ボン「おコトってどんな楽器なんですか?」
さぴ「下の写真を見てみ♪」
ボン 「わあ~!!結構大きいんですね」
さぴ 「楽器全体を龍に見立てているそうで、全長約180センチあるよ。通常、本体は桐が使われてるんや」
ボン 「龍!?なんだかスゴイですね……」
さぴ 「龍頭(りゅうとう)、龍尾(りゅうび)とか、龍にちなんだ名前が各部分につけられてるよ」
ボン 「高尚な楽器なんですねえ~弦は何本あるんですか?」
さぴ 「13本。手前の低い音から一、二、三…と数えてゆき、11本目を斗(と)、12本目を為(い)、13本目を巾(きん)っていうよ」
ボン 「なんで最後の3つだけ数字じゃないんですか?」
さぴ 「それは、昔『仁智礼儀信文武斐蘭商斗為巾』と呼ばれていたらしく、それの名残やとか…」
ボン 「”弦”ってことは、爪で弾くんでしょうか?」
さぴ 「箏爪を使うよ。お箏の世界には大きくわけて『山田流』と『生田流』の2つの流派があり、
山田流は丸い爪、生田流は四角い爪で弾くの。私が習っているのは生田流で、右手の親指・人差し指・中指に爪をはめるよ」
ボン 「そうなんですね~ところで『琴』と『箏』ってどう違うんですか?」
さぴ 「どちらも、奈良時代に中国から日本に伝わった楽器。
箏は平安時代くらいまでは雅楽の中で使われてたとか。
雅楽で使われているのは『楽箏(がくそう、がくごと)』と呼ぶよ。
それに対して琴は弦が7本。
伝来当初は、13本の箏は「そう(箏)のこと」と呼び、7本の琴は『きん(琴)のこと』って呼ばれてた。
でも、後に単に『こと』と呼ぶようになってから、『琴』と『箏』の混同が起きてきたらしく、琴は平安時代末期には衰退していってしもたみたい」
ボン 「へえ~じゃあ、弦の数以外に違うところはありますか?」
さぴ 「箏は琴と違って柱(じ)がある。柱っていうのは、各弦に立てて音程調節するコマのようなもののこと。
柱の有る無しで箏と琴を区別しているものもあるそうな」
ボン 「邦楽に携わってない人にとったら、『箏』っていう字はすぐに読めませんね…」
さぴ 「せやな。ちなみに、古文中では箏も琵琶もひっくるめて『琴』と書かれているように、琴は撥弦楽器の総称なんやて。洋琴(ピアノ)、手風琴(アコーディオン)とか」
ボン 「言われてみれば!でも、現代では違いをあんまり気に留めてないですよねえ~」
さぴ 「うん。まあ、お箏の世界では、『琴』と『箏』は別の楽器ってことは覚えといてな」
ボン 「はあい☆」