趣 味   く る ま の メ ン テ ナ ン ス

 ヴィッツ・ジムニーに限らず、どんな車でも共通の簡単なメンテナンスやDIYの方法など何でも有り。
 車いじりのガラクタ箱コーナー!?
 
写真満載で重いですのでご注意ください!改造は自己責任でお願いいたします。

クーラント(LLC)を交換しよう!

クーラントはエンジンを冷やすための「単なる」水ではありません。大きな特徴と役割を持っています。
ここで改めてクーラントの役割と効果、その知識をまとめてみましょう。

1.クーラントはエンジンを冷やすための水です。いつもエンジン内を循環しています。
2.エンジン内部が錆びつかないよう防錆剤が含まれています。
3.室内のヒーターを暖めるのにも使われています。
4.厳冬期でも凍りません(不凍液とも言う)
5.エンジンやラジエーター内の汚れを落とす効果もあります。
6.LLC(ロングライフクーラント)の異名のとおり水自体が腐らないよう防腐剤も入っています。

クーラントは温められ冷やされを交互に繰り返し、ずぅ〜っとエンジン内を循環しています。その苦労や相当たるものです。最近ではクーラント自身の性能が向上したせいもあり極端に品質が落ちる事もありませんが、交換しなくても良いわけでは有りません。車検ごとに交換するのが目安ですが、渋滞を頻繁に走る車や厳寒地の車はクーラントに負担を多く掛けているので早めの交換が効果的です。

なお、ディーラーなどでの交換の相場は基本料金1000円+クーラント代(800円×必要リットル)です。ヴィッツ(NCP13/1NZ)の場合は3.8Lほど。4000円ほどの代金になります。
もちろん自分で交換すれば1000円でおつりがきます。

参考:水温計の取付けとラジエターホースの交換

交換するための道具

特別な工具は必要ありません。ジョウゴ(ペットボトルを切ったもので可)、バケツ、排水口(ドレン)の蓋の大きさに合ったレンチなどがあると便利でしょう。

クーラント(LLC)の交換方法

まず必須条件ですが、エンジンが冷えている時に作業しましょう。エンジンが冷えていないと火傷の原因になります。くれぐれもこれだけは注意を。
それから軍手をしないこと。熱湯が手にかかった場合に対処が遅くなりひどくなる場合があります。微妙な温度も解り辛いですからね。それとエンジンのベルト部分に近い場所ですので巻き込まれると危険です。


では、作業をはじめましょう。
今回交換するために買ってきたクーラント(LLC)がこれ。2L入りで345円。ヴィッツは約4L必要ですので、これを2本。占めて690円也。近所のホームセンターで購入。

LLCの色は赤と緑が有りますが、どちらも成分は同じ。トヨタは赤色、他は緑がほとんどです。私は敢えて緑を使います。汚れ具合や錆びがはっきり解るからです。

交換時に迷うのが濃度。LLCは濃ければ濃いほど凍り難く、かつ、高い温度にも強い(沸点が高い)性質があります。では濃度100%でと思うところですが、LLCには若干の粘度があり、濃度が高いとエンジン内にあるウォーターポンプに負担がかかり破損の原因になります。市販品で30%〜50%程度の濃度が有りますので、それを使うと便利です。ちなみに私は濃度50%の品を購入し若干(数%以内)薄めました。ただし、逆に薄めすぎると凍りやすくエンジン内の錆びを誘うのでほどほどにしましょう。

 
まず、古いLLCを抜きます。ラジエーターの下のほうに排出用の栓(ドレンコック)があります。下に潜らないと取れない車種もありますがヴィッツはラジエーターをエンジンルーム側から覗くと下のほうに白い栓が見えます。これがドレンコックです。ネジ式になっており回すと外れます。固い場合は22ミリのレンチで回すと簡単に外れます。このときラジエター上部の蓋はまだ外してはいけません。
コックを外したらLLCが出てきますのでバケツで受け取っておきます。バケツの中に溜めたら錆片などの混入が無いか確認しましょう。当然何も混ざり物が無いのが正常です。
LLCの廃棄方法は自治体での指定に従ってください。無い場合は買ったお店や近くの自動車整備工場等に相談して引き取ってもらいます。
排出口の栓はゴムパッキンのヘタリや傷が無いかチェックし、きれいな水で洗浄しましょう。
まだ、ラジエターキャップは外しちゃダメですよ。

 
次にリザーバータンクの中を洗浄します。大概の車はラジエターキャップの横っちょからホースがタンクまで伸びていると思います。ホースを外し、下のほうにぶら下げるとタンク内のLLCがサイフォンの法則で排出されます。排出されたら水道水を入れ古いクーラントを洗い流します。タンクが簡単に外れる車種は外して洗剤で洗うと効果的です。念のためこのタンク内にも不純物が混入してないかチェックします。

 
ある程度ドレンコックからLLCが排出されたら、ここで初めてラジエターキャップを外します。
後から遅れてキャップを外す理由は、キャップを外すとドレンから一気にLLCが排出され、バケツでLLCを受けることができないからです。
場合によっては(大概は必要ないが)ラジエターホースも外してOKです。クリップで留まっているのでペンチなどで緩めて外します。ホースとラジエターが極端に固着して外れない場合、カッターなどで切り開きます。当然その際はホース交換となります。なお、戻す際はホースをマーキングどおりの位置に戻し、クリップ跡に合わせてクリップを締めます。
ホースはある程度のゴムの弾力を持っていればOKです。ひび割れ、弾力が無いような状態であれば交換となります。ホースはLLC交換時に変えるのがメンテの手間も考えればベストタイミングです。

 
ラジエターキャップも点検します。キャップは圧力弁の役目を持っています。真ん中のボタンを10KGぐらいの力で押してみてバネが効いているかをチェック。極端に緩い、固い場合は交換です。当然ゴムの状態もチェックします。大体5年ぐらいでヘタるようです。これは消耗品ですね。(経験による)

新しいLLCを入れる前に、ラジエター内をキレイに洗っておきましょう。キャップから水を入れるとドレンから出てきます。しばらく水を流しておけば大丈夫です。この場合エンジン内部までは水が入らないので洗われませんが、エンジン内も流したい場合は、水を入れ、後述のエア抜きの要領を繰り返せば大丈夫です。

それではLLCを入れます。ドレンコックをきっちり締め、リザーバタンク、はずしたホース類を元通りにします。ラジエターキャップの所よりゆっくりゆきます。ジョウゴ(ペットボトルを切ったものでOK)が有ると入れやすいです。ゴボゴボと空気が抜けていくのでゆっくり入れましょう。リザーバータンクには入れなくても良いです。

 
まだホースの中などに空気が入っているのでホースを時々もんであげながら入れましょう。車内のヒーターにつながるホースの中にも空気が入っていますのでこのホースも忘れずにモミモミしましょう。

 
それでもまだエンジン内やラジエター内には空気が入っています。空気が入ったままだとオーバーヒートの原因になりかねません。ここで、エンジンを掛けLLCを暖めてやります。すると内部にたまった空気が出てきます。また車内のヒーターを最高温度に設定し稼動させます。これはヒーターコアに溜まった空気を排出するためです。このとき空気が抜けた分の量のLLCを補充するするのも忘れずに。
結構時間がかかります。最低30分ぐらいかかります。時々スロットルを指で回してエンジンをあおってやりましょう。

エンジンが完全に暖まり、エンジン内にあるサーモスタット弁が完全に開くとエンジン〜ラジエーター間では勢いよくLLCが循環します。
ラジエターの上部では渦を巻きながら勢いよく流れています。スロットルを煽ると間欠泉のごとく溢れます。
これだけ温まればエア抜きは完璧にできています。

一旦エンジンを止め、LLCをキャップギリギリまで補充しキャップをきっちり締めます。

最後にリザーバータンクの方へ補充しておきましょう。今はLLCが暖まって膨張状態であるのでタンクのMAX線の少し上ぐらいまで補充しておけば良いでしょう。冷えたらちょうど良いぐらいになります。
エンジンとLLCが完全に冷えたら再度LLCの量をチェックをします。MAX線を越えない程度に入っていればOKです。

LLCを抜いてから、エア抜きまで一時間ちょっとの作業時間でした。
ちなみに気温が低いと、水温が上がりにくいのでエア抜きに時間がかかります。

クーラント(LLC)交換の効果と私感

LLC交換は体感できるような効果は出ないのですが、車を維持していく上で重要なメンテの1つです。エンジンオイルなどは結構マメに交換している人も多いのですが、LLCまで気付かない人が多いようですね。
中古車を購入するにあたりチェック項目の1つにラジエターキャップを見るという手があります。キャップを外してみて水垢がかなり付いていたり、ゴム関係がふにゃふにゃだとメンテしていない可能性が高いです。ついでにリザーバータンクも覗いて見ましょう。ゴミが沈んでいるような車は絶対にダメです。

時間がかかりますが特に難しい技術もいらないのでメンテの入門編にはもってこいです。
ポイントはキャップ類をしっかり締める事。エア抜きを徹底的にする。ことぐらいでしょうか。
また、DIYによって大変高いお金が浮くのも魅力です。

<使用部品>
KYK らくらくそのままクーラント 2L  (345円)   2本 690円
(LLCは自分で希釈するタイプもありそちらも安い メーカーによる差はほぼ無い)
水道水適量

<使用工具>(無くてもOK)
ラチェットソケット22ミリ、ジョウゴ   動力源(これは必要)芋焼酎「薩摩乃薫」

  

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