趣 味    く る ま

 トヨタ ヴィッツRS (TA NCP13 1.5L 5DOOR AHMVK)についてのページです。
 
写真満載で重いですのでご注意ください!改造は自己責任でお願いいたします。

クラッチの交換、ミッションO/H、ファイナル交換

走行距離が7万キロを超えたことから、クラッチを交換することになりました。
クラッチ交換は簡単な作業なんですが、ついでなのでミッションのオーバーホールを実施しました。

これらの作業は症状が出てからでも良いのですが、ちょっとした異常を放置すると最終的にとんでもない修理費用になったりするので、予防メンテの意味も含めて実施しました。
クルマを長持ちさせるべく快適に乗る為には異常が無くとも、初回8〜9万キロのタイミングで整備(チェック)することをお勧めします。

今回のメニュー

1.クラッチの交換・・・時折「すべり」に似た症状が発生、クラッチを切った時にシャーシャー音らしき物

2.ギア(シンクロ)の交換・・・1、2速、リバースが入りが渋い。場合によってはギア鳴りも。

今回の整備は4年目の定期点検時に実施。なぜこの時期なのかと言うと・・・
走行距離はジャスト7万キロ。来年の車検時では走行距離が9万キロ前後と予想されます。
つまり、9万キロでは時期的に遅いのと、現状のクラッチがあと2万キロ持つか不安視されたため。
さらに、走行距離が伸びていることから、いつまで所有するどうか解らないクルマに対し部品寿命ギリギリまで乗るより、早め早めの交換をした方が今後のことも考えるとコスト的にも軽減される為です。

とにもかくにも、本格的な大メンテナンスとなりました。

いつもなら自分でメンテする所ですが、さすがに今回はディーラーにお願いしました。DIYだと代車も無いですからねぇ。
・・・自宅に余分な車とミッションジャッキ、油圧プレスが有れば自分でやってたかも・・・(^_^;)

交換した部品(全て純正品)

クラッチ関係 ・・・ クラッチ、クラッチカバー、クラッチレリーズベアリング
ミッション関係 ・・・ ギア(1速、2速、リバース)、シンクロナイザー(1.2速)、ベアリング各種、オイルシール、リングギア、アウトプットシャフト などなど・・・

交換後の部品(写真)

   準   備   中

ついでに・・・。

マメにオイルを交換していたものの、やはり距離を走っている以上、磨耗は進みます。
従って、アウトプットシャフトとリングギアも交換しました。
そう、つまりファイナルギアを交換することになります。

「どうせ部品を換えるなら小細工を」言うことで、面白いファイナルを探し出してきました。

それはなんと、スターレットターボ(EP91グランツァV、5MT)のファイナル!

さぁだんだん、本来何の目的でミッションをオーバーホールするのか解らなくなってきます(笑)
ディーラーのサービス主任も「こんな話じゃなかったのにぃ〜」とボヤキながらも妙に楽しそうです。

ヴィッツのファイナルは4.312。これをEP91の3.722に載せ換えます。
つまり、高速寄りに(ハイギヤード)になります。

詳しく解説すると、載せ替え後のギアと速度の関係はこんな感じになります。
C56改ギア比 (ファイナル3.722仕様)

恐るべき事に計算上235km/h(6300rpm)まで出る事になります。

が、そんなことよりも、例えば5速80km/hで走った時、従来、回転数が2500回転だった物が、2160回転で走行可能になります。従って低回転に寄る「静粛性」「低燃費」が実現されます。
また、シフトのタイミングが従来より遅くできるので、シフトチェンジによるロスタイムも低減されます。

その一方、副作用もあります。低回転が故にトルクの痩せ、エンブレの効きの低下がありえます。
しかしながら、トルクの痩せにはMTだからこそできるこまめなシフトで回避可能ですし、エンブレもATのそれよりははるかに効くことには変わりありません。


下は参考までに従来のギア比

純正のミッションギア比


ということで・・・。

ということで、クラッチ交換、ミッションのオーバーホールの“ついでに”ファイナルも交換して、大手術から無事に復活したのでした。
  (一気に話しが飛んでしまってゴメンナサイ)(^_^;)

復活後のインプレッションですが「楽しい」の一言に尽きます。
ミッションは今まで以上にカチカチと決まるようになりました(部品精度が向上した為だそうです) もちろんギア鳴りも無く吸い込まれるようにシフトが入ります。

クラッチに関しては極度な体感はありませんが、シャーシャー音の改善と踏み具合が軽くなりました。

そしてファイナル。信号での発進と、80〜120km/hでの巡航が大変気持ち良いです。特に5速の2〜3千回転ではすぅ〜っと加速する感じが、今までのヴィッツRSとは全く別物です。静かになった分、気付いたらかなりスピードオーバーと言うことも(^_^;)
1NZエンジンは汎用エンジンと言うこともあり、トルクが薄いとよく言われますが、結果としては全くそれを感じさせないと言うのが印象です。(ヴィッツの軽量ボディーが効いているのかもしれませんが)
むしろ今まで1速、2速が吹け上がりすぎて使い難かったのがキチンと使えるようになりました。激しい峠道でも全く問題ないでしょう。
そうそう長距離ドライブでも効果的面ですよ!高速でもAT並みに低回転で静かに走れます。エンジンのうなりを気にせずにクルージングできます。

使用部品など

全部トヨタの純正部品です。
どうせなら強化クラッチ、LSDを入れたら?という極悪なお誘いも有りましたが、悪魔の誘惑を振り切り純正品で組み上げました。レースに出るわけじゃ無いですし、まったりドライブ派のおいらとしては純正品で十分です。

クラッチディスク   31250-12360  8505円
クラッチカバー   31210-12192 10185円 (31210-12191の代替) 
クラッチレリーズベアリング   31230-52020  3465円

ファーストギヤ   33032-12070  9345円
セカンドギヤ   33033-12060  11655円
リバースギヤ   33331-12060  7770円
ファーストシンクロナイザリング   33367-12140  2131円
セカンドシンクロナイザリング   33367-12150  2131円

ディファレンシャルリングギヤ   41221-12310 7875円 (41221-12160 9240円 の代替)
アウトプットシャフト   33321-12051  9765円
※5MT(C56) EP91、AE100、AE110などに採用
※ファイナルを3.722にする場合は上記リングギアとアウトプットシャフトの両方の交換が必要
※TRD製品の
NCP13用 WPCファイナルギヤセット(品番:41201-NP110 49350円)とは全く同じギア比。TRD製品とはWPC処理の有無だけの違い。上記はC56用の純正品であり、通常使用では強度等に全くの問題ない。

※ 参 考
ファイナル4.312の部品番号(5MT(C56) AE92、AE101、AE111、NCP13などに採用)
リングギヤ  41221-12340  7560円
アウトプットシャフト  33321-17011  10080円
スターレットターボ(EP91、EP82)カローラ、スプリンター、レビン、トレノ(AE100、AE110)のC56採用車に流用可 (3.722→4.312になります)

その他、ベアリングやオイルシールなど、ほぼ全数交換


なお、普通のディーラーでは対処できないと思います。専門の“機関屋”にご相談されることをオススメします。
DIYでも可能ですが、先述のようにミッションジャッキや油圧プレスがあれば何とか可能です。
順序としては MTオイル抜き→ドライブシャフト抜き→ベルハウジング切り離し→ミッション切り離し→ミッション分解→ベアリング封入→組み上げ→以下逆順となります。
高トルクや高圧封入、精密組み付けが随所にあり、かなりの技術が求められます。じっくりやれば出来なくも無いですが、何よりも時間とその間の代車をどのように確保するかが問題でして・・・。


おまけ

気になるであろう点の情報をUPします。
1.スピードメーター誤差・・・エンジン側でなく、ドライブシャフト側で計測しており誤差は出ません。
2.車検・・・MTそのものはC56のままですので構造変更申請は不要です。全く心配ありません。
3.慣らし・・・新車と同じく必要です。もちろんMTオイルも交換です。
4.期間・・・交換部品によっては取り寄せだけで2週間以上かかる物もあります。気長に。
5.金額・・・部品代は「ファイナルだけ」と言うことは有り得ません。シール、ベアリングなど、かなり掛かります。工賃もかなりです。覚悟の上でどうぞ。


★★おまけ情報です

ミッションオーバーホールをいかに安く仕上げるかを検討していた時に、中古ミッションをそのまま載せ換えるという案が有りました。結局、中古品は距離も相応だろうと言うことで見送ったのですが、その時に色んな情報が・・・

 1. EP91等に搭載の5MT(C56)ならポン付け可能
    ただし、補機類の取付けに微妙に違いが有るかも
    → ということは、数多く出回っているクロスミッションやLSDの流用が可能

 2. RS1.3(NCP10)の5MT(C154)とは互換性は無い
    ハウジング形状が違う為。装着出来なくも無いが構造変更申請が必要で車検の取り直しとなる。
    車検証上に「NCP13改」が欲しい方は頑張って!ただしそれ以外のメリットは何も無い。 

 3. NCP13には、AE111後期の6速MT(C160)に載せ替え可能
    ただし、シフトレバー等も変わる為、かなりの高額手術になる。もちろん構造変更が必要。

 4. LSDに関してはC56、C160、C52(ターセル、コルサ、カローラ2、MR2(AW10)などに搭載)どれでも流用可。

こんな情報が集まりました。
どれも、ヤフオクや解体屋を使えば簡単に何とかなる物ばかりですね。
ほぼ間違い無い情報なんですが、念のため自己責任でご確認いただくようにお願いします。


  

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