趣 味   く る ま の メ ン テ ナ ン ス

 ヴィッツ・ジムニーに限らず、どんな車でも共通の簡単なメンテナンスやDIYの方法など何でも有り。
 車いじりのガラクタ箱コーナー!?
 
写真満載で重いですのでご注意ください!改造は自己責任でお願いいたします。

スパークプラグを交換しよう!

車は燃料に空気を混ぜ合わせ、それに火をつけ爆発させ、その爆発のパワーを推進力に換えて前に進みます。エンジンのタコメーターを見ると3千とか4千とか書いてありますよね。ということは1分間にそれだけの回数に火を付け爆発させているということです。

ガソリンに火を付けるのには、ガソリンを爆発室(シリンダー)に注入し、そこにスパークプラグで火花を散らしてガソリンに誘爆させる方法で行われます。
つまりスパークプラグが無ければガソリンに火は付かないし、それが調子悪ければエンジンもパワーが出せないということになります。

こんなに大事な部品「スパークプラグ」ですが意外に忘れがちで、何万キロも無交換だったという車も少なくはありません。プラグの端子部分が白金で出来た「白金プラグ」などは10万キロ持つといわれていますが、通常は定期的に交換したほうが無難でしょう。


交換するための道具

  

左はプラグレンチです。プラグをまわすのに必要な工具ですが、レンチの先が磁石になっていて取り付けの際にプラグが落ちないようになっています。車のエンジンの場合は深い位置にプラグホールがあるので、こういう装備が無いと不便です。KTC製で1500円ほどです。市販では磁石の変わりにゴムで抜け落ちないようになっているものも有ります。ヴィッツは16ミリサイズです。

右はクイックスピンナーというもので、本来はレンチの早回しの際に使うものです。しかし見て解るように角度目盛りがふってあります。後程詳しく書きますがプラグはきつく締め込めばOKというものではありません。手で締め込んだ後にレンチで90度〜270度の角度で締め込みます。その時にこの目盛りが役立つのです。

他は一般的な道具ばかりで、スピンナー(ラチェット)ハンドル、エクステンションバー程度です。


交換する新品のプラグ


新品のプラグは純正品と同じNGK(日本特殊陶業)製のグリーンプラグの2本組みを買いました。
近所のホームセンターで2本組で980円、4本で1960円でした。ヴィッツは4気筒ですので4本必要ですね。

プラグはプラチナとかイリジウムとかいろいろ高効率を謳ったものが出回っていますが、
一本あたり千円を越える割りには耐久性が低いので今回は見送りました。





   ヴィッツRS(NCP13)の場合は
       純正品 NGKグリーンプラグ BKR5EYA−11 Y16 標準価格530円/本
       プラグ径は16ミリですので、プラグレンチも16ミリを用意してくださいね。

       (参考) DENSOの場合は ワイドUプラグ K16R−U11(T03) を選択

プラグの焼け具合で品番を変える場合もありますが、通常の使用においては変えなくても良いかと思います。極端に焼けが狂っている場合のみ交換されたほうが良いでしょう。
なお、極端に焼けが狂うということは、どこかに異常があるということですので吸気系と燃料系、そして点火系のチェックを必ずしましょう。

プラグの「焼け具合」と「焼け型の品番」についてはプラグメーカーのHPに詳しく解説してあります。


プラグの交換方法

  

まずエンジンカバーを外します。ヴィッツの場合は見えている4つのナット(10ミリ)を外せばOKです。
カバーを外したら、ちょっと確認してください。シリンダーヘッドの上に砂やホコリがだいぶ積もっていると思います。無用なトラブルを防ぐためにも掃除機で吸い取ってしまいましょう。


ヘッドの上がきれいになったら点火コイルを外します。

黒いゴム樹脂で覆われた部品が有りますが、これが点火コイルです。簡単に説明しますと、この部品に電気信号を送り、プラグに大電流を流し火花を出させる部品です。

この部品は大変衝撃に弱いので丁寧に扱いましょう。
壊れたら一個7,000円です(笑)
10ミリのボルトを緩め、上に軽く引っ張るとエンジンより外せ(抜け)ます。



なおコイルとプラグを外す際には一個ずつにします。コイルを一個抜いたら、プラグを交換し、このプラグ交換が終わったら元に戻し、次のコイルを外します。
順番に行う理由は、プラグの“穴”はエンジンに内部に直結です。何かの拍子でボルトやらが落ちてしまったら・・・。その際はご愁傷様ですが、エンジンのオーバーホールと相成ります。
また、全部いっぺんに抜いちゃうと元々の場所が解らなくなってしまう時があります。取り付ける場所の順序をバラバラにすると、点火タイミングが狂ってしまい、まともにエンジンは動かなくなってしまいます。
ヴィッツの場合はハーネスの長さの関係上、間違う事は無いと思いますが、どんな車であってもこれは作業の基本行為です。


スピンナーハンドルにクイックスピンナー、エクステンションバー(150ミリ)、プラグレンチ(16ミリ)を装着し、プラグを抜き取ります。

はずす時は普通のネジと同じで時計の逆回転です。

初めての交換のときは多少固いので力が要ります。

んで、外したプラグがこれ↓




  

焼け具合はこんがりキツネ色で良い具合です。アーシング施工やハイオク注入をしているので、焼けすぎになるのではないかと心配していましたが、大丈夫のようです。
交換の目安は2万キロ毎と言われていますが、さすがに3万8千キロまで乗っていると、かなり端子が削れ丸くなっています。ちょうど交換時期でした。


次に新しいプラグをはめ込みます。

新しいプラグのネジ面にブレーキグリースを少量塗っておきましょう。焼き付きの防止になります。なおくれぐれも普通のグリスは塗らぬように。

なお、プラグの端子の隙間ですが最近のプラグは調整しなくても良いです。昔は調整が必要でしたが、精度の向上と共に点火方式もダイレクトイグニッションに変わってきており、調整の必要はありません。下手に手を出さない方が無難です。


クイックスピンナーの0度の目盛りにプラグの端子の切り口部分を合うようにセットします。理由は後ほど説明します。

プラグをセットしたら、まずは手で締め込みます。まだ、スピンナーハンドル使って締めてはいけません。回転は時計回りですね。
くれぐれも言いますが、入り難いのを無理矢理ねじ込んではいけませんよ。ココのネジがバカになったら「姉さん事件です」(高島風)どころじゃすみませんよ。丁寧に扱いましょう。


手で締め込んだら、ハンドルを持って締めこみます。締め込み角度は90度〜270度です。

ここでポイントですが、先ほどクイックスピンナーの0度の目盛りにプラグの切り口部分を合わせました。
この切り口部分がインマニ方向へ向くところで締めるのを止めます。1NZの場合は手前側ですね。

これは、インマニから入って来た混合気にスムーズに着火させるためです。

プラグを締め込んだら、点火コイルを取り付けます。特に力は入れなくても大丈夫です。軽い力ではまると思います。取り付けたら固定のボルトも忘れずに。


外したプラグはマジックなどで印をつけておき、抜いたシリンダー場所がわかるようにしておきましょう。

4本並べて均等に焼けている事が調子の良いエンジンの条件です。極端にバラバラの場合、そこのシリンダーには何か不具合がある証拠です。

それからついでですが、プラグにはネジの部分にパッキンがついており締め付ける事によりパッキン自らが潰れて効果を発揮するようになっています。ですから、何度も取り付け作業を行ったり、抜いた物を再装着はしないほうが無難です。

プラグ交換の効果と私感

MIZOはズボラ吹いていたおかげで38千キロまで一度も交換せずに今回が初交換となったわけですが、交換後はスムーズに更け上がるようになりました。低回転時のもたつきも若干減りました。
特別な部品ではないので新車に戻ったという感じでしょうかね。

プラグ交換はかなりお手軽なメンテナンスです。ですから、プラチナとかイリジウムとかのハイパワープラグなども比較的簡単に交換が可能です。
う〜ん、でも、あの辺のプラグってどうなんでしょうか?確かに効果が出るらしいですが、エンジンとの相性もあるらしいですし、何てたって価格の割りに寿命が・・・。一本千円〜2千円のプラグが4本必要で、まともに“効果の出る”寿命が5000キロ〜1万キロですからねぇ。それと、「焼け」具合がかなりシビアで難しいようですし。

ともかく、今回は純正品を投入しましたが、プラグの役割としては安定的に火花を出してくれれば良いだけですのでレースでもやらない限り、これで必要十分ですね。お安く上がりましたし。



<使用部品>
NGKグリーンプラグ(日本特殊陶業謹製)  BKR5EYA−11 Y16  4本/1960円
    ※2本パック(980円)×2  (標準小売価格530円/本)
ブレーキグリース  少々

<使用工具>
ラチェットハンドル、ラチェットレンチ10ミリ、スピンナーハンドル、クイックスピンナー、エクステンションバー150ミリ、スパークプラグレンチ(16ミリ)、発泡酒パワー350ml1本分、ねこ嫁さんの野次馬応援
プラグ交換の後日談

上記のようにプラグを交換して1年後、2万キロほど走りましたので、再度交換時期です。


プラグホールを覗いて見ると・・・。

んんん?!?! 錆びてる・・・。


どうも、車検時にしてもらったエンジンルームの洗浄で、水が入ったようです。 
通常、水が入ってもエンジンの熱ですぐに蒸発してしまいますが、点検中でエンジンが冷えていたせいか蒸発に時間が掛かったようです。


サビがシリンダー内に落ちないように、そぉ〜っとプラグを抜きます。

その後、極細ヘラとバキューム(掃除機)を駆使して徹底的にサビを落とします。

サビはプラグ本体だけが錆びているので、アルミ製のシリンダーカバーにまでは侵食していませんでした。簡単にきれいになります。

最後に灯油を含ませた布で拭き上げて完了です。


新品のプラグとの比較です。

走行距離 20,028 km
使用時期 03年6月22日
  〜04年6月18日
ハイオク使用、アーシング施工、マフラー交換済み

かなり、角が丸くなっています。
まだ使えそうではありますが、ベストパフォーマンスは期待出来そうにありません。
2万キロが推奨交換時期という理由がわかると思います。


全気筒分を並べてみます。
左から1番です。
六角のヘッド部分は水が入った影響で錆びています。
ネジを切ってある部分が茶色く見えるのは焼き付き防止に塗ったブレーキグリースの色です。
端子部分はどれも問題ないレベルで焼けています。焼け、減りにバラつきも無く状態はGOODです。

プラグホールに水が入り錆びるのはよくあることなのですが、そのリカバリーは結構神経を使うので大変です。焼き付きも相まってプラグが途中でもげてしまうことも・・・。無事にプラグを抜いても、シリンダーにゴミを落としたらアウトなんで、そりゃぁもう・・・。
余計な作業を増やさないためにも、派手にエンジンルームを洗浄した時にはチェックした方が良さそうですね。

  

叱咤激励苦情陳情はこちらまで

メールはこちらまでお気軽にどうぞ
IE5.5 1024×768以上 文字サイズは中以下を推奨