趣 味   く る ま の メ ン テ ナ ン ス

 ヴィッツ・ジムニーに限らず、どんな車でも共通の簡単なメンテナンスやDIYの方法など何でも有り。
 車いじりのガラクタ箱コーナー!?
 
写真満載で重いですのでご注意ください!改造・整備は自己責任でお願いいたします。
ブレーキローター(ブレーキディスク)の交換

ブレーキローター(ブレーキディスクとも言う)は、ブレーキパッドに比べ減りが遅く、また見た目もそれほど減っているように見えないため、車の乗り方によっては廃車まで一度も交換しないという方もいるかもしれません。
しかし、欧州車ではローターの材質上、減りが早くパッドと同時期に交換するのを推奨している車種もあります。
うんちくをいうなれば、国産はローターもパッドも硬めに作られています。一方、欧州車は柔らかめに作られています。これは街乗りが多い日本ではブレーキ頻度も多い割には高速からのブレーキ回数は少ないため効きよりも耐久性を重視しています。欧州車はアウトバーンなどで高速走行する機会も多いので、パッドの食いつきを良くし効きを強めているんですね。
ともかく、日本仕様のクルマでもローターが減る事には間違いないですし、減りがひどい場合は交換しなくてはなりません。

せっかくならスリットローターに交換しよう

我が家のヴィッツRSは走行距離も6万キロ程になり、そろそろブレーキ系統のメンテが検討事項にあがる次期に来ました。効きも若干鈍くなってきているのでリフレッシュメンテを行うことにします。
ブレーキの消耗品は主に4つ。ブレーキパッド、ブレーキローター、マスタバック〜ホース〜シリンダのゴム部品、ブレーキオイルの4点です。
今回は効きの向上を図るため、ローターとパッドの交換を行います。
パッドは別項で説明するとして、ローターを純正より効きに貢献する「スリット」入りのローターに交換しました。
スリットとはディスクに対し放射線状に刻まれた溝の事で、この溝を彫る事によりパッド表面を常にクリーンにしブレーキの効きを効果的に引き出す役目を果たす物です。
ヨーロッパ車や、国産の高級スポーツカー(GT−R)などでは純正で採用されており、効果は明確になっています。
純正ローターが1万円前後なのに対し、スリットローターの価格は一般的には2〜4万円程度となります。しかし、ロッキード・デルファイ製のスリットローターを格安で販売している業者を発見し、そこに発注しました。送料などを入れて14,000円弱で入手できたのはラッキーでした。
価格差が僅かでありながら、効果は明らかですので、今回のメンテでスリットローターを導入する事にしたのです。

交 換 作 業

これがスリットローターです。ご覧のとおり片面に6本のスリットが彫られています。スリットは両面に彫られています。
スリットの形状は放射線状だったり星型だったり。また本数も3本〜12本と様々です。またスリットだけでなくドリルで穴を開けている物もあります。
あまりにスリットが多い物はパッドとディスクの設置面積が狭くなり逆に効きが弱くなります。またドリルローターは放熱性に優れていますが、強度が弱いという弱点も持っています。
従って、今回購入したのは極々一般的なタイプです。

購入したばかりのローターには切削油が残っていますので、ブレーキクリーナーを掛け脱脂します。また、スリット部分に色が付くよう赤の耐熱スプレーで色を付けます。
干して乾かします。なお、ディスク面には塗装が付かないようマスキングで保護しときましょうね。(多少は削れてはげるので大体で構いません)

塗装を乾かしている間に車両側では純正ブレーキローターを外します。
まずはキャリパーを外しましょう。タイヤを取ってキャリパーを上から覗き込むと3本のボルトが見えると思います。赤い矢印の17ミリのボルトを外します。このボルトはキャリパーの下側にも同じように付いているので外します。 (左写真:キャリパー真上から  右写真:キャリパー下前方から) 他に17ミリは無いので間違える事は無いと思います。
このボルトは固いので、ロングレンチがあると楽です。インパクトレンチなら申し分ないですが。


ボルトを外すとキャリパーがごそっと外れます。キャリパーは針金でサスなどにぶら下げておきます。ぶら下げる時はブレーキホースに曲がりなどのストレスが掛からないように細心の注意を払います。間違ってもホースでぶらんとぶら下げるような事をやってはいけません。

キャリパーが外れれば、ディスクは簡単に引き抜けます。引き抜けない場合、ゴムハンマーなどで軽く叩くか、ローターにネジが切ってある穴がありますのでそこにボルトをネジ入れると簡単に外れます。


これが最近話題の「ハブ」です。これが割れると・・・。御想像のとおりです。
出ているボルトがホイルを固定するためのハブボルトです。このボルトは裏から刺さっているだけなので、折れても簡単に交換出来ます。
ハブボルトはヴィッツは4本ですので当然ホイルも4穴の物になりますが、このハブを5本の物に交換すればヴィッツでもホイルの5穴化が可能になります。が、ハブをハブシャフトから抜くのは大変ですので簡単に出来る改造ではありませんね。



あとは、スリットローターをハブにはめ込み、キャリパーを元に戻せば作業は完了です。意外に簡単ですよね。

はみ出た塗装が伸びて、なんかすごい事になってます(笑) 近所を一周してくればきれいになりますけどね。


補 足 説 明

スリットの向きについて

スリットの向きについてですが、上記の説明ではスリットが外方向に流れるように装着しました。
一方、ヨーロッパ車(ベンツ、BMWなど)ではスリットを内向きに装着しているようです。

基本的にスリットの向きは「機械的には」どちらでも問題なく装着可能です。

で、ブレーキに効きに関しては、外向きはジワッと作用するマイルドな効き、内向きは喰い付くようなハードな効きに変わります。ただ、スリットはブレーキダストの排出も兼ねているので、その効果は外向きの方が高いでしょう。
左右を入れ替えるだけなので、状況と好みに合わせて入れ替えされると良いでしょう。

上の写真は、「内向き方向」にスリットを装着したものです。

装着後の効果と雑感

中低速での効きは格段に上がりました。ブレーキマスターシリンダストッパーを装着しており、もともと効きは良いのですが更に良く効くようになりました。下手をするとかっくんブレーキになりそうです。高速でも以前より制動力は上がりました。純正のパッドのままですので高温帯でのブレーキがどのように反応するかはわかりませんが、明らかに制動力は上がっています。こりゃ楽しいです。

今の所、問題ありませんが、スリットが入っているが故に、パッドの減りは早くなるかもしれません。またブレーキダストの量も増えるでしょうね。パッドはヤフオクでかなり安くで手に入りますし、自分で交換すればお金もかからないので、まぁ良いでしょう。ブレーキダストはホイルにWAXを掛けるなどして対処する予定です。

ともかく、満足度の高い装備品となりました。
あと、個人的にはハブカバー部の「赤」の塗装は恥ずかしいです。目立ちすぎです。目立たぬようシルバーで塗れば良かったです。

必要部品・工具など

<使用部品>

ロッキード・デルファイ製 スリットローター 左右セット 13,515円
参考 ヴィッツRS純正  フロントブレーキディスク  43512−52040  8000円
淡麗グリーンラベル500ml 2本(ダイエット中) 195円×2

<使用工具・ケミカルなど>
ブレーキクリーナー 耐熱カラースプレー、CRC556
油圧ジャッキ、リジットラック(ウマ)、クロスレンチ、輪留め、ロングレンチ(17ミリ)、針金、ゴムハンマー

<作業時間など>
塗装作業が無ければ、左右で30分程度

  

叱咤激励苦情陳情はこちらまで

メールはこちらまでお気軽にどうぞ
IE5.5 1024×768以上 文字サイズは中以下を推奨