赤矢印のボルトを緩め抜くとキャリパーが持ち上がります。持ち上げたキャリパーは針金などでサスにぶら下げておきましょう。
パッドを外したキャリパーにはステンレス製の板ピン(フィッティングシム)が付いたままですので、引っかかっている部分を外して、付着している古いブレーキグリースやブレーキダストをブレーキクリーナーを噴射しきれいに洗浄します。キャリパー本体の洗浄も忘れずに。
余談ながら、シムの役割はブレーキの鳴き防止や効き具合をマイルドにするため(←日本人の好みだそうです)にある物です。従ってダイレクトな効きを希望される場合装着しなくても構いません。レースなどではシムを外すのは常識の調整です。
なお、くれぐれも普通のグリスを使わぬように。死にます(笑)。なお、このグリス、本来の使用目的とは違いますがプラグや高温部ボルトの焼き付き防止などに使えるので一本あると便利です。ただし使用量を間違わぬよう。つけすぎるとかえって緩みなどの原因になりかねませんので。
なお、使い古したパッドを新品に交換すると、ピストンが出ていてパッドがはまらない時があります。その時はピストンをグッと押し込んでやると引っ込みますので、それで十分な隙間を作ってやってください。このピストン戻しの作業には押し込むための専用の工具がありますが、指で押し込んでも入りますし、ウォータープライヤーのような物で挟んでも良いです(ただしピストンに傷つけぬよう) また100均でクランプを買ってきてそれで閉め込んでも良いでしょう。 なお、ピストンを押し込んだ分、ブレーキオイルがエンジンルーム内にあるブレーキフィールドタンクに戻されます。タンクからオイルが溢れぬようにタオルなどでカバーしておきましょう。ブレーキオイルは塗装面に付くと塗装が剥げます。
ブレーキパッドの交換が終わったら、必ずクルマを走らせる前に停車状態でブレーキをグッと踏んでおきましょう。ピストンが奥に戻された場合、初っ端なの数回はブレーキを踏んでも効きませんので。
この作業は重要保安部品の交換なので作業には慎重にならなくてはなりません。しかしながら、意外に簡単な作業であり、手順さえ覚えてしまえばどうって事ありません。 特にレースに出られたり、オークションでパッドを買われたりした場合、工賃が気になる物ですが、マスターしてしまえば、その節約効果は計り知れない物です。スポーツパッドの場合「つけて見なけりゃわからない」的な要素が非常に強いアイテムです。そんな時、自分で交換できれば大変助かりますね。 しかしながら、作業ミスは重大事故に繋がりかねません。初めての場合は経験者に付き添ってもらい手順をしっかりマスターした上でDIYしましょう。
<使用部品> ヴィッツRS(NCP13)のフロントブレーキ回りの純正供給部品 フロントブレーキ パッド 04465−17140 7600円 (1台分4枚) フロントディスクブレーキ アンチスクイールシムキット 04945−20210 520円 (両輪分) フロントディスクブレーキ フィッティングキット 04947−52010 960円 (両輪分) フロントディスクブレーキ シリンダキット 04479−52020 2100円 (両輪分) フロントブレーキ ディスク 43512−52040 8000円 (1枚) フロントブレーキ ホース右 90947−02C31 1930円 フロントブレーキ ホース左 90947−02C32 1930円 ブレーキホースガスケット 47389−50020 280円 (1個) ちなみに、キャリパー本体は片側19990円です。 <使用工具など> コンビネーションレンチ 14ミリ、メガネレンチ 14×17ミリ、針金 50センチほど、ジャッキ、ウマ、クロスレンチ ブレーキパーツクリーナー 適量 (今回の場合720ML1本半)、ブレーキグリース 少量、キリッと冷えたスーパードライ 大量
叱咤激励苦情陳情はこちらまで IE5.5 1024×768以上 文字サイズは中以下を推奨