ここネット通信号外   〜大坂めぐりの旅にて〜




大坂の人たちは「何を言っているのだろう」と不思議な顔をするかもしれないが、
以前から大坂の人には宗教性が高いなあと思っていた。
これが大坂の旅をするきっかけになった。


商都大坂として、いろいろなものを観光するのは聞いたことがあるかもしれないが、
聖都大坂として、観光する人はめったにいないだろう。


歴史をひもとけばもともと大阪の地は荒れ地で、そこに目をつけた蓮如上人が、
この地に浄土真宗の宗教的施設をつくったのが始まりらしい。


その御坊があったのが、今の大阪城である。
大阪城は、それが建つ以前は、浄土真宗門下の寺を中心とした寺内町だった。




今回の旅の目的は、私も真宗門徒なのでそれらが少しでも肌身に感じられればいいということで企画した。


岐阜から新大阪まで新幹線で行きそこから地下鉄に乗って、御堂筋沿いの本町までで降車した。
第一の目的は大阪人の信ずるところの一番の宗教的施設の南御堂(難波別院)で宗教的説法でも聞ければと思っていたが、
「あ〜あ〜あ〜」と若い僧侶4人が朝のお勤めをしているのを聞いただけで終わってしまった。
本人も希望としてはとても残念だった。最後まで聞きたかったのに、それをうちの親が止めてしまった。
「なんて、こったい」と思いながら、ならば、御堂筋をテクテク歩いて、宗教的精神性でも感じられればと思っていたが、
今となっては、御堂筋は商業的ビルが立ち並び、それどころではなかった。
これもとても残念だった。


それであれば、実際に大阪人と接するなかで、なにかそれらしいものを感じられれば、と思い、
”なんば”に行って、いろいろな商店街を歩いて回ったが、大阪人はよそ者には冷たく、軽くあしらわれたような感じだった。
それでもなんかの店に入ろうと、大阪のファーストフード店に入ったが、おいしいものはありつけるが、
情の深い大阪人の気質には少しも逢わなかった。
これもとても残念だった。


”それじゃあ”と思い、地下鉄とJRに乗って、大阪城まで行った。
大阪城内はとても広く、天守閣にたどり着くまでは相当かかった。
実際に天守閣に着いてみると、その立派さに少し感動を覚えた。
大阪城の最上階の展望までは、何階も登って行かなければならず、それまでにとても疲れた。
だが、それまでで相当体が冷えていたので、少しずつ暖まってきた様子だった。
それはよかった。


最上階に着いて、大阪城の外の景色を眺めたが、東に生駒山地、北には六甲山地があり、
それら一体がまるで霧で囲まれたかのような”淡い光”を帯び、
今まで見たことのない世界に連れてってくれるようだった。
とても感動をおぼえた。


うちの親も大阪城にはとても良い印象をもったらしく、今回の旅は総じて良い旅となった。
また、機会があれば、商都大阪より、聖都大阪のいろいろな面を見ていきたいと思った。