今年度の土器つくり講師は「岐阜縄文土器クラブ」の田神会長にお願いし、肝心の野焼きが2度の雨にたたられたが、まさに、ことわざにあるとおり、3度目の正直で11月18日に参加者16名にて実施した。前日の雨が結構な降水量であったため、地面からの水分を土器に吸収させないよう、あらかじめ野焼き地点を乾燥させるため、予焼きを行った後、本焼き作業に入った。雨上がりにも関わらず、季節風の強い風もなく、絶好の「野焼き日和」であった。野焼き作業に入る前に、田神会長より野焼き作業進行手順についての注意事項等の説明があり、参加者全員で確認後、野焼き作業に入った。今回の作業方法は、同心円状に火を焚く方法にて行った。最初の1時間で土器全体に余熱を加え、その後、土器を同心円上の火の内側に設置し、前後から加熱を行った。この際、なるべく火炎を直接土器に触れさせないように配慮し、作業を行った。最後に土器の上方側にも薪を置き、土器全体を加熱し、本焼きを行った。今回は、野焼き作業中に顕著な縦および横ひび割れの発生もなく、順調な仕上がりであった。野焼完了後、個々の作品を点検したが、大半の作品は問題なく焼きあがっており、野焼きは成功であった。全作品を取出した後、作品の前にて全員で集合写真を撮り、完了とした。今回の作業において教訓となったのは、土器はそもそも素材は粘土であり、当然内部に水分を含んでおり、事前の乾燥が十分実施されているものの、土器表面の急激な温度上昇があれば、残留している水分が膨張、逸散するときに粘土が収縮し、表面にひび割れを発生させるわけである。この過程を踏まぬよう、ゆっくりと土器温度を上昇させ、均一に収縮させたのち本焼きに入ったので、満足のゆく焼き上がり状態となったものと思われる。
 作品の製作過程より、幾日にもわたりご指導いただき、また、野焼当日もきめ細かなご指導をいただき、参加者全員満足な作品が完成できました、田神会長には心より御礼申し上げます。

 
    雨上がりのため地面の余熱
 
    野焼き作業前のミーティング
 
     土器の余熱かけ作業 
 
      土器の余熱作業
   
 
       野焼作業全景
 
         本焼き作業(1)
 
       本焼き作業(2)
 
      本焼き作業(3)
 
      本焼き作業(4)
 
     本焼き作業(5)火寄せ
 
 本焼き作業(6)ほぼ焼き上がり
 
       本焼き作業(7) 
 
    焼き上がり後作品取出し
 
      最後の火寄せ
          完成品の前での全員の集合写真     

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野焼き状況解説写真

平成24年度「土器つくり」 平成24年11月18日(日)